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中学受験

「南山中学女子部をめざす保護者のための 中学入試攻略セミナー in 名古屋星ヶ丘」開催レポート

11月23日(日)、名古屋「クリエイティブガレージ星が丘」にて、東海地区最難関女子校である南山中学女子部(以下、南山女子部)をめざす保護者のための中学入試攻略セミナーを開催しました。会場は、南山女子部をめざす小学生とその保護者の皆さまで満席。南山女子部が大切にしている教育理念から最新の入試動向まで、じっくり学ぶ2時間となりました。




11月23日(日)、名古屋「クリエイティブガレージ星が丘」にて、東海地区最難関女子校である南山中学女子部(以下、南山女子部)をめざす保護者のための中学入試攻略セミナーを開催しました。会場は、南山女子部をめざす小学生とその保護者の皆さまで満席。南山女子部が大切にしている教育理念から最新の入試動向まで、じっくり学ぶ2時間となりました。

【第1部 基調講演】 南山中学女子部の入試問題に秘められたメッセージ

南山女子高等学校・中学校女子部 広報部長 原田祥平先生

【教育理念は、“入試の作り方”そのものに反映されている】

 

南山女子部の入試は、暗記型の学力だけを測るものではありません。問われているのは、読んで考え、理解し、自分なりの言葉で説明できる力です。

 

とくに特徴的なのは、「4教科の点数をまんべんなく取ることが必要」という点。南山女子部では、特定科目の偏差では合否が決まらず、4教科の合計で合格最低点を上回る“総合力”が求められます。この配点設計にも、「バランスよく学び、幅広いことに興味・関心を持てる生徒に来てほしい」という理念が表れています。

 

理念は、出題内容にも明確に現れています。いずれにも共通しているのは、「表面的な正解」ではなく「深く考える姿勢を測る」という点。例えば国語では、登場人物の心の深層に踏み込む記述が求められ、理科や社会では、単に用語を丸暗記するのではなく、用いられる言葉の意味や背景、目的まで理解することを重視しています。

 

原田先生は、「南山女子部の入試問題は、学校の教育観そのものです」と語られました。育てたいのは、目に見えるものの奥にある“本質”へと自然に思考を伸ばし、他者を尊重できる、豊かな感性を持つ生徒。その願いは、問題文の選定から記述の問い方まで、細部にわたって丁寧に設計されています。

 

入試は単なる選抜ではなく、「こういう力を持つ生徒に来てほしい」という学校からの強いメッセージなのだと、会場全体が深く理解する時間となりました。

【第2部】 合否を分けた問題解説「2025年入試」


【算数:名門会プロ講師 亀垣和幸先生】

続く第2部では、名門会プロ講師 亀垣和幸先生による「2025年入試算数」の詳細な分析が行われました。

今年は、算数の合格者平均が 87.9点 と例年より40点以上も下がり、多くの受験生が驚いた年でした。けれども亀垣先生によると、「問題そのものが難化したわけではない」とのこと。ではなぜここまで点数が下がったのでしょうか。

今年の算数は、従来の形式と大きく異なる問題が並びました。
・条件整理に時間のかかる文章題
・発想力・空間認識が求められる図形
・証明形式(普段触れない子が多い)
・例年よく出る「速さ・面積・体積」がほぼ出題されない

いわゆる「見た瞬間に解法が浮かばない問題」が多く、1問に時間を取られ、点を落とした受験生が非常に多かったのではないかというのが、亀垣先生の分析でした。どこで時間を使い、どこを切り捨てるか・・・その判断が合否を大きく左右しました。特に、展開図や複合図形などの“時間を奪う問題”を深追いしてしまった受験生と、早い段階で切り替えて得点源を拾った受験生とで大きな差が生まれたのではないかと、亀垣先生は語られました。

             名門会プロ講師 亀垣和幸先生

 

最後に亀垣先生から、これからの学習で大事にしてほしい3つの力が伝えられました。

① 問題の正体を見抜く力
問題を解き始める前に、問題全体がどういう問題かという大局観を持って問題に挑む。

② 視覚化(図・グラフ・表)する力
視覚化してミスや無駄な計算を少なくする。

③ 問題を取捨選択する力
時間がかかる問題に引きずり込まれない。
限られた時間で「何を優先するか」を判断する力を養う。

「複雑な問題に対して、工夫をして解法を導き出す練習が大切」と締めくくられました。


【国語:名門会プロ講師 浅井宏先生】


国語は、名門会プロ講師 浅井宏先生が解説を担当しました。南山女子部の国語は、毎年多くの受験生を悩ませる難関科目です。記述量の多さはもちろん、扱われる文章のテーマが抽象的で“深い思考”を求められるため、一見易しそうに見えて、点数が伸びにくいのが特徴です。セミナーでも、多くの保護者の方が「どう対策すればいいのか?」と真剣に耳を傾けていました。

南山女子部の国語は、毎年「論説文・小説・漢字」の三本構成。ニーチェや太宰治など、思想性の強い文章が扱われることも多く、読みやすそうに見えて、深い理解を求められるのが特徴です。とくに記述問題は年ごとに形式が変わり、「指定語句を使う」「段落構成に沿って書く」など高度な処理力が必要になります。南山女子部が重視する“背景まで想像する力”が試験に色濃く反映されています。

「最初の問題から解き始めようとしないこと」。浅井先生からは次のアドバイスがありました。

・漢字から解き始める(確実に取れる問題)
・問題文より先に設問を読む(何を問われているかを先に押さえる)
・重要部分だけに集中して読む(全文を丁寧に読むと時間が足りなくなる)
・書けない記述は“書かない”という判断も必要(「なんとなくわかった」では記述問題に対応できない)


名門会プロ講師 浅井宏先生

小説問題では、主人公の心情変化や価値観の揺れを読み解く力が問われます。家庭でもできる対策として、浅井先生は次の対策を勧めました。

・毎日10-15分でも文章を読む習慣をつける。家庭で「どうしてこう思ったの?」など語り
合う習慣が記述力アップにつながる
・分からない語句や表現は、調べたり聞いたりして理解しておく
・過去問は早めに問題文だけでも読んでおく

日頃からの読書、ニュースに触れる習慣、読んだ内容を話す・書く練習など、“言葉と背景を読み解く力”を育てる日常が、南山女子部合格への大きな後押しになります。

南山女子部の国語は平均点が低く、半分取れれば十分に戦える科目です。重要なのは、4科目の総合点で合格最低点を上回ること。国語にこだわりすぎず、戦略的に“取るべき点数”を積み上げる姿勢が鍵と、浅井先生は言いました。

「SSA(=さいごの さいごまで あきらめない)」。ラストに力強いメッセージが贈られました。

 

最後に

中学入試は、ゴールではなくむしろスタートです。だからこそ、入試本番で必要なのは“満点を狙うこと”ではなく、合格に必要な得点を確実に積み上げる戦略。模試の判定に振り回されるのではなく、過去問に込められた学校の意図を読み取りながら、着実に力を養っていくことが、夢を叶える一番の近道になります。

名門会は、お子さま一人ひとりに最適な学習方法を見つけ、「合格のその先」まで伴走するプロフェッショナルです。受験という挑戦が、その先の未来の自信につながる成功体験になるよう、全力でサポートいたします。

 

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